トスカーナ料理1

トスカーナ料理1 – La Cucina Toscana 1 –

今日はフランチェスコ先生による初めてのレッスンです。クラスメイトたちは興奮気味で、意欲的な様子です。私は前回のコースに引き続きフランチェスコ先生に教えていだだけます。私のクラスにいた日本人の学生は現在、全員イタリア各地でインターン修行をしています。そして私は今、食と旅に関する文章を書く夢を叶えようとしています。今日はプロフェッショナルシェフ養成講座の学生レポーターとしてこのレポートを書いています。

トスカーナ地方は食べ物とワインが美味しいことで知られています。そしてトスカーナ料理の特徴は早くて簡単に調理できることです。地元産の新鮮で質の高い食材が、シンプルな料理をごちそうに変えます。

今日はイノシシ肉のパッパルデッレ、仔牛のすね肉チマリーノのアーティチョーク添え、白大福豆煮、フィレンツェ風ステーキの4品を作りました。
どんなトスカーナ料理でも教えてもらえるはずです。

優秀なシェフは時間配分に長けていなければなりません。大きなレストランで時間の制約がある中、調理時間が違うそれぞれの料理をタイミングよく提供しなければなりません。計画的に時間配分をしながら、美味しい料理を作らなければならないのです。

フランチェスコ先生はまず調理に時間のかかるメニューから始めるよう教えてくださいました。その間に他の料理を作ることで、すべてのメニューがほぼ同じタイミングでできあがるのです。

白大福豆煮 -Fagioli al Fiasco-
「白大福豆煮」はトスカーナ地方の豆のスープです。料理法はシンプルですが非常に美味しく、フィレンツェ風ステーキの付け合わせとして食べられることが多いメニューです。このスープを美味しく作る秘訣は最高品質の豆を使い、じっくりゆっくりと柔らかくなるまで煮込むことです。

仔牛のすね肉チマリーノのアーティチョーク添え- Cimalino rifatto con carciofi –
柔らかい仔牛のすね肉のチマリーノをアーティチョークとサラダにしたものです。通常は前菜として扱われます。このような仔牛のすね肉はグリーンチリソースをつけても美味しくいただけます。

イノシシ肉のパッパルデッレ – Pappadelle al cinghiale –
パッパルデッレはフェットチーネの幅を太くした感じのパスタです。トスカーナ地方を代表する郷土料理で、イノシシ肉のラグーソースで食べられることが多いパスタです。トスカーナ地方には野生のイノシシがたくさんいます。ラグーソースはもちろん、サラミの肉としてもピッタリです。野山を駆け回る筋肉質な野生動物なので、イノシシ肉は脂身が少ない赤身肉です。フランチェスコ先生はイノシシの大好物である乾燥ビャクシンを使ってソースに香り付けをしました。今のところフィレンツェで先生の作ったもの以上のイノシシ肉のパッパルデッレには出会っていません。それ以外でこの料理を美味しく食べたかったらモンテプルチアーノのレストランまで車で行かなければなりません。

一般的な生パスタ – Pasta fresca generica –
パスタの作り方を書くのは簡単ですが、完璧なパスタを作るにはたくさんの練習が必要です。一番重要なのは情熱かもしれません。料理に対する情熱がなければ練習は苦痛でしかありませんから。パスタ作りの過程は見ているだけで楽しめます。

使われる小麦粉の種類は2種類、0番と00番です。

昔は主に0番を使ったそうです。00番に比べるときめが粗く重い感じで、黄色味がかっています。固めなので、若干水を多めに加える必要があるかもしれません。

00番の小麦粉はきめが細かく白いのが特徴です。現在は口当たりの良さを求めて00番を多用するシェフが多くなっています。

フランチェスコ先生は両タイプの小麦粉を同量ずつ使い、バランスのいいパスタを作りました。先生のパスタは固すぎず柔らかすぎず、歯ごたえと口当たりの良さが両立しています。生パスタと乾燥パスタの違いはすぐに分かるはずです。手打ちパスタは香りが良く滑らかで、何よりその作り立ての新鮮さが食通たちの心をくすぐります。

フランチェスコ先生はタリオリーニ、フェトチーネ、タリアテッレ等、太さが良く似たパスタを見せてくださいました。全てパッパルデッレより細く、特にタリオリーニはイタリアで最も細いパスタです。イタリア人のパスタへのこだわりは一筋縄ではいきません

フィレンツェ風ステーキ – Bistecca alla fiorentina –
フィレンツェでは「生でステーキを食べたら一人前のフィレンツェ人だ」と言われます。
フィレンツェ風ステーキは料理法がシンプルな料理の1つです。だからフィレンツェのシェフたちは牛の一番良い部位の肉を使います。自分のレストランに最高の肉を取っておいてもらうために、マルチェロと仲良くするのは必須です。フィレンツェの街中では多くのレストランが表のガラス越しに大きな肉塊をこれ見よがしに置き、お客様へのアピールを怠りません。

ステーキを調理するときは、フィレンツェ風に大きく厚めに切り分けることをお忘れなく。

フランチェスコ先生はステーキの片面を7分ずつ、両面をグリルしました。もっとレアなステーキがお好みならば、5分ずつで十分です。焼き終わったら両面に塩こしょうをまんべんなく振ります。焼く前に塩を振ってしまうとステーキから水分が逃げてしまい、ジューシーさが失われてしまうからです。

トスカーナ料理に最も合うワインはもちろんトスカーナ産のワインです。色々なワインを試した結果、フランチェスコ先生と同様に「キャンティ・クラシコ」がどんなトスカーナ料理にも一番合うという結果に落ち着きました。ぜひ自分自身の舌で試してください。

キャンティ・クラシコをフィレンツェ風ステーキと付け合わせの白大福豆煮と一緒にいただくと、魔法のように素晴らしい相性の発見を楽しむことができます。

Buon Appetito!

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